麻の着物

夏まで生きていようと思った。そう思いながらなんとか生きている人間の観劇とか読書の記録。

あなたは友達、永遠の光(「歳が暮れ・るYO 明治座大合戦祭」感想)

12/28 マチネ

12/29 マチネ

 

今年も舞台納めは明治座
去年めちゃくちゃ楽しかった年末シリーズに推しが帰ってきました。

昨年のる年祭よりもあっさりとしているものの、今年も笑いあり涙ありの非常に楽しい舞台でした。

 天才キャスティングでは?

今年の座長2人を見てキャスティング担当いい仕事しすぎではないでしょうか…。
パンフレットなど見る限りあて書きの部分あると思うんですけど、本当にはまっていて天才キャスティングと思った。

佐奈ちゃん演じる武田晴信は領民のことを思う心優しき領主であると同時に、必要であれば戦うことを辞さない武将として成長していきます。とにかくあざと可愛いのに攻撃力(物理)高そうな感じがめちゃくちゃはまってます。

一方の内藤さん演じる山本勘助は作中で異形と呼ばれ、人の醜さを知っている人。それなのに透き通る歌声にキャラ造形完璧だな…と思いました。

光と影のように対照的でだからこそ彼らの友情は眩しく、この人物設定でこの物語の8割決まった感じがします。

「友達」という関係

去年のる年は胸にくる関係性が同時多発的に発生していたんですが、る戦はかなり晴信と勘助の2人に焦点が当たっていたように感じます。

この話の終着点はどこなんだろうと見ながらずっと思っていました。私は戦国時代はまったく詳しくなかったので勘助が死んだ瞬間にここかー!?と自然に思ったので本当にる戦は2人の話なのだと思います。

三条の方と顕如の会話でその後の武田家滅亡への伏線は張られていて、けれどそれはこの物語で語るべきものではないのだなと感じました。三条の方が物語の中でちょっと浮いていて、極端な言い方をするならあんまり必要のないキャラクターでは?とも思ったのですが、歴史は詳しくないけどこれは後継で揉めるんだなとわかったし事実そうだったので、その後の悲劇を予感させる役どころなのかもしれません。

私がたまらなく好きなのは一幕のラストで晴信が諏訪頼重を斬るところです。勘助はもともと晴信に父を殺させるつもりでいて、人を斬った時に晴信が自分の無力に気づくだろうと考えて近づいたわけです。それなのにいざ晴信が刀を取ったときに「やめろ」と叫ぶ矛盾がどこか愛おしく感じられます。「ひとりきりでうまれて ひとりきりでしぬだけ」と歌う勘助は、その実冷酷になりきれない人間らしい人間だったと思います。
晴信や四天王、弟に心を許しながら、人として当たり前に優しく醜いところが私はとても魅力的だと感じました。

一方で晴信はほんとモンスターだと思うんですよ。化物と書いてモンスター。それを目覚めさせてしまったのが勘助。
彼が死んでもその想いは誰かが継ぐと言って物語は終わるわけですが、その発想がやっぱりモンスターなんですよ。上杉景虎毘沙門天の生まれ変わりであると自称していますが、彼女が神の側にあるように好敵手である晴信もそちら側にいるんだろうなあ思います。

そんな晴信が「未来の人たちのことなんかより、今君に生きて欲しいと思っちゃってる」と告げるのがあまりにもただの人間で、友達という存在が彼を人にするんだなって…。

友達というのは人から求められる理想像でも得体の知れない化物でもなんでもない、ただの小さな人間にするための呪文のように思えます。

はーあまりにも好き…。

ちょうど紅白歌合戦もあって米津玄師の「Lemon」を聞く機会が多かったのだけど、今この曲を聞くとる戦を思い出します。

切り分けた果実の片方の様に

今でもあなたはわたしの光

 

とはいえ周りの人間関係もやばい

兄弟

武田の兄弟と山本の兄弟ってわかりやすく対比なんですけど、死ぬ。

勘助と光幸、本当に最初のシーンしか一緒に出てこないのに死ぬ。思い出すだけで切なくて死ぬ。初日の光幸は急遽代役の大藪くんでしたがすごい仕上がってた。良い意味で井澤くんの芝居を翌日見て違う人が演じてる感じがしなかったです。

あとテニミュの比嘉公演で永田くんの演技がすごくよくてテニミュ後の舞台見たいなと思っていたらやっぱり心を掴まれた。推せる…!

推しの話は後述…。

諏訪姫

めっちゃヒロインでしたね。

信廉の描いた彼女の絵を選ぶにあたって晴信が笑った絵を、勘助は腹黒いお顔の絵を選ぶのですが、諏訪姫の「晴信様はすべてお見通しです」*1という台詞を合わせて考えるとすごくいいなあと思います。

全部見通していた晴信は諏訪姫の笑顔を彼女だと思って受け取ったし、勘助はおそらく彼だけが知っているどこか自分と通じるところのある諏訪姫の表情をらしいと思ったし。そしてそのどちらも正解なんだろうなあって…。

武田四天王

キャストからして強い。

ちなみに

四天王と晴信様の関係は

幼少期から
板垣には剣術を。
おぶには馬術を。
小山田には美容と心意気を
教えてもらっていた、

と晴信さまと演出の板垣さんに伺いましたので、
甘利殿のことも演出の板垣さんに聞いてみたところ

甘利は、ずっと信虎さんの隣で笑ってた

そうでございます。

甘利は父上のことが大好きだから

と晴信さまも仰られていました。

るーちゃんのブログ -4ページ目

これあまりにも…しんどくないですか…。

信虎パパも愉快でお茶目ではちゃめちゃな殿さまで甘利ほんと好きなんだよなあ…しんどいな…って思ってみてました。

上杉の3人組が可愛い

景虎様めちゃくちゃにかっこよくて好きです。晴信の前に立ちふさがる敵でありながら見ていて憎めないようなかっこよさがあります。そして宇佐美と直江とのやりとりがめちゃくちゃに可愛いんですね。

私は小早川くんの顔がめちゃくちゃ好きなので、宇佐美の一挙一動最高だなって思って見てました。

村上さん…!

地味に一番ずるい人だと思います。どう見ても色物なのに切ないんですよ…。どれだけの執念で百人斬りを為そうとしたのか考えると胸がぎゅっとなります。

初日とにかく衣装の羽が落ちてて掃除大変そう…って思ってしまった。

 

今川とか武田御三家とか顕如様と下間くんとか謎謎くどい男と青年とかどのグループも良かったです…。る年と比べると関係がわかりやすくて見やすいなと感じます。

 

歴史の語り手という存在

去年とあまりにもOPが違ってびっくりしたのですが、年末シリーズ2回目なのでOPは毎年全然違うのかなと思ったらこれまでとがらっとかわったようで…。

今回はっきりと語り手が存在して、演じられる舞台も後の世から当時を見た演劇であることが明示されています。私はこれはこれで面白いなと思いました。

語り手2人にとってこの物語は過去でありその時(=現在)が来たら舞台の中に身を投じる。観客である私たちも、過去の物語を読み解きながらいつの間にかその延長線上のいる現在を生きているのだなあと感じました。今回は平成最後の年末シリーズという意識があって作られたように思います。

推しが可愛い飛び道具

推しである田中さんの話をします

今回完全に飛び道具というか物まねですべてをふっ飛ばしていった。でもソロがあったのびっくりですよ。元気なお歌に花丸!

無垢で元気な何故か物まねの上手い三男だったので、可愛いなーとコメントに困る…(物まねに対して)という感情が交互にくる。後半の公演ほどはじけてくるんだろうなと思ったので序盤しか見られなかったのが残念です。

無垢で心優しい末っ子というのはあまり見ない役どころだったので新鮮でした。

今後リーディングの機会があれば、武田家が滅亡するその時の信廉の語りを聞いてみたいなあと思いました。心をめためたにされたい。

2部はあまりにもオチ担当要員として優秀すぎるのと曲がかかると普通にかっこよくてやはり感情がおかしくなってたんですけど最高でした。

2部の話をします

 司会の衣装が好き

めちゃくちゃ好き。小早川くんの顔がめちゃくちゃ好きなので初日1階席で間近に見て推せる…と思った。

ギリギリーン

29日の大山さんのギリギリエピソード(ラーメン屋の話)が面白すぎてそれしか覚えてないところある…。

衣装がギリギリ。

キツツキション

「メンバー全員絶対笑わない」というユニット紹介が完全にフリ。たぶん今年の色物枠なんですけど、だんだん加藤啓さんが可愛く見えてくる。

TONO&KERAI

去年の同じこと言ってるんですけど、2部はほぼ推し定点カメラになっていたので推しばっかり見ていました。超王子じゃないですか。

イケメンユニット枠なのになぜかネタが完全に仕上がっていた。

平成最後の年に「いい湯だな」で年を越す

私はドリフまったく知らない世代ですが、「8時だョ!全員集合」は特番なんかで映像を目にしたことはあるわけで、昭和といえばという番組だと思います。平成30年経ってこの曲がEDになるのそれこそ時代の流れを感じてしみじみしたし、加藤茶さんが目の前で歌ってるのびっくりですよ…。

まだまだ年は明けないでしょ

今年も上映会あるのかなあと思っているので、まだまだ年は明けません!

推しがいるからという理由で見にいった年末シリーズですが、2年続けてすごく楽しかったので今年(2019年)も是非またやってほしいなと思っています。るひまさんよろしくお願いします。

 

 

 

*1:「すべておわかりです」かも