麻の着物

夏まで生きていようと思った。そう思いながらなんとか生きている人間の観劇とか読書の記録。

言葉では何も伝わらないから(『GEM CLUB Ⅱ』感想)

3/18(日)マチネ シアター1010

 

割とぼーっとしているので、カーテンコールでプレビュー公演千秋楽だということに気が付きました。

『TENTH』の感想で書いたとおり、古田一紀という役者を舞台上で見ることはもうしばらくないんじゃないかと思っていた中で発表されたので、この作品が発表された時はずっこける気持ちと同時に嬉しくもあった。日程の都合上シアタークリエに行くのが難しかったので、プレビュー公演のチケットがとれたのも幸運。

実は感想その日のうちにちょっと書いていたのですが、仕事が忙しくて家でパソコン向き合う気持ちになれず、ずるずるしてしまったので今更な感想ですが…。

 

 ショーの世界

私は前作の『GEM CLUB』も『CLUB SEVEN』も見ておらず玉野さんの作品も初めて。見る前に持っていたイメージではクールというかカッコいいに振った話かと思いきや、笑いあり時代劇ありと想像以上にバリエーション豊かでした。さらに二幕が丸々所なのですが、こちらもバラエティ豊かで、見ていてまったく飽きない。

役者陣はちょこちょこいろいろな舞台で見てきた方もいて、これは間違いないでしょと思っていたけど間違いなかった。

これはブログ書いていて己の敗北を感じるんですけど、見てほしいとしか言えなかった。*1

物語があるならば、「ここの台詞が」とか「ここの心情を考えるとこうなんだろう」とか言えることはいっぱいあるんですけど、目の前にあるのは観客に見せるために作り込まれたショーの世界。ここが良かったという話はいくらでもできるんだけど、結局のところ見てなんぼの世界だった。

舞台の上では何者にだってなれる

今回の公演で感じたことの一つだった。集められたGEMたちは深くは語られないけれどバックグラウンドもばらばらだったけれど、割とみんな個性が強いというか色がはっきりしてるなあと思った。

けれど二部のショーで目まぐるしく変わるシーンの中では何者にだってなれていた。それは男と女だったり、三次元の世界と二次元の世界だったり、現代と過去だったりしたけれど、そういう何者にでもなれる感じが私はすごく好きで羨ましいくらいに輝いていると思った。

何者になれるというのは勿論役者である彼ら彼女らにとっては当たり前のことなんだろうけど、逆に一つ一つが短いショーだからこそ余計にそれを見せつけられた感じがした。

そして別の舞台に向かって歩き出した彼のこと

割と『TENTH』の前に覚悟決まっていたので、『GEM CLUBⅡ』が終わった後の古田一紀のツイートには素直な気持ちで「頑張れ」って思えたかもしれない。

完全に他人であって、一ファンである私からすれば、『GEM CLUBⅡ』を見た後に思うのは勿体ないなあということだ。けれど、彼は夢があってそこに進もうとしている。

「うん、私は彼のことを推さないな」と思った。

勝手にどんどん進んでいく古田一紀という人間のことがめちゃくちゃ好きなんだけど、ファンというのもなんだか違うくらいこちらを見ずにどこかに行ってしまう彼のことが好きなので。極論役者を辞めても彼のことは好きだと思うんですけど、たぶんそれはファンでもないんだよなあとなんとなく思う。

とは書いているけど、彼が観客を見る目線はとても真摯だし、本当にこうやって観客席を想ってくれることが私は嬉しい。いつまでも彼には、その時目の前にいる受け取り手に対して最高のものを見せてほしいし聞かせてほしいと思う。

そんな訳で元気に声優として活躍してほしいと思います。
でも1年に1回私の推しのイベントにゲストで来てほしいです。お願いします。

 

 

 

 

*1:と書いていた時はまだこれからシアタークリエだったんです…