麻の着物

夏まで生きていようと思った。そう思いながらなんとか生きている人間の観劇とか読書の記録。

そのほとんどを私は知らないけれど(シアタークリエ10周年記念コンサート『TENTH』感想)

1/20(土)ソワレ
2週目

余談の余談

私が初めてシアタークリエに行ったのは『ダディ・ロング・レッグス』の初演だった。
年齢バレバレの話になるが、20歳過ぎてから坂本真綾のファンになり、北関東の片田舎で大学生をしていた私は初めてシアター・クリエに赴いた。
もともと東北の地方都市(仙台ではない)出身の私は舞台を見たことがほとんどなかった。帝劇も日生劇場も初めて行ったのは就職してからだ。そんな私にとって日比谷のど真ん中にある劇場はこじんまりとしていたけど、特別な空間だったと思う。
あれからウン年経って、もはや観劇が日常になった私は、それでも『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』で二度目に訪れた時、AiiAでもブルーシアターでもない空間はやはり心踊ったことを覚えてる。

そんな、シアタークリエの10周年記念公演。発表されたときは真綾さんの出演する回(3週目)に行くつもりだったけれど、古田一紀の名前を見て、迷いに迷ってYGCB組の回に行った。声優になると旅立った彼をミュージカルで見ることはもう何度もない気がしての選択だったが、そのあとの『GEM CLUBⅡ』の告知でずっこけた。*1

シアター・クリエで演じられてきたミュージカルのほとんどを私は知らない。しかも『ダディ・ロング・レッグス』の坂本真綾にしろ『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』の古田一紀にしろ、クリエにおいては外様の役者感はあるわけで、それでも見ていてかなり楽しめたので良かった。その歴史のほとんどを私は知らないけれど、再演したら見たいなとか、単純に楽曲として好きだとか、そういう気持ちになっていた。

 

 1部

1部は『ニューブレイン』のダイジェスト版。あらすじは押さえたものの、詳しく調べずには見に行った。
ちょっと急ぎ足ではあって、ストーリーを味わうというよりはミュージカルナンバーを楽しむつもりで見るのが正解かなと思う。楽曲の中では「チェンジ」が印象的だった。あの小銭をせびる老婆がこの物語の中でどういう意味を持つのかは今回見ていてよくわからなかったのだけど、このナンバーの強さは良かったな…。フルバージョンで見ればわかるのかな…。

2部

2部は『GOLD』からスタート。ロダンカミーユの話と聞いて、ぐっと見たくなった。再演希望…。
「天使の国」は今回初めて聞いたにもかかわらずとても好きだった。不倫する姉へ洗礼を進める弟の歌というのがいい…。
そこからの「不倫する役とかが多いんですよね!」という伊礼さんのMCからの「We were dancing」(『アンナ・カレーニナ』より)でした。

次が『BLOOD BROTHERS』から3曲。あらすじは知っていたけれど「あいつに」は聞いてて切なかった。本当は実の兄弟のはずなのに、「自分とまったく違うあいつだったら」と歌う歌なんですよね。

そして3週目の『あの日、天使はバスを降りた』から1曲。時間とお金が許すなら3週目やはり行きたかった。

ここまで全部知らない曲なんですけど、MCで曲の背景やシチュエーションをかなり丁寧に紹介してくれるのですごく聞きやすかったです。

そして『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』から3曲。
あっきーさんはいなかったけれど、スヌーピーぬいぐるみが代理。そのわりに扱いが雑でドッヂボールされていた。
ところでここのMCで言われてたあっきーさんのTwitterの動画をあとで見たら感謝しかない…ってなっていた。いい座組だったんだなあ。
1曲目はチャーリーとルーシーによる「精神分析」から。YGCB自体がショートショートっぽいせいか、あっきーさん意外の面子が揃っていたからかかなりキャラクターが重なって見えたように思います。
2曲目の「ベートーベン・デー」と「Happiness」は全員による歌唱。「Happiness」をもう一度聞くことができただけでも行って良かったなと思う。子どもたちが挙げるささやかな幸福と無垢な歌声。とにかく5人のハーモニーが絶妙なんですよね。

推しではないけれど同じくらい好きな役者のこと

伊礼さんのMCで最後まで名前を間違えられていた古「田」一紀は、一年前の冬*2に見た彼とは随分違って見えた。それがいいことなんだろうか、悪いことなんだろうか…なんて少し複雑だった気持ちへのアンサーがまさか翌週の推しのバースデーイベントで来るとは思わなかったんです。

私は彼のことを推しだとは思っていないんだけど、でも彼がいるからチケットを取るというのは好きなんだなあと思う。こう言ったら変だけど、ファンとして応援してもしなくても彼は彼のまま、やりたいことをやりたいようにやっているようで、たぶんそういうところが私は好きだ。だから応援したいとか推しだとかじゃなくて、「お前の芝居を見てやろうじゃねえか」みたいな喧嘩腰で私は見に行ってる。いや、ほんとに変な話なんだけど。

ただそういう意味ではどの役者より私は彼のことをフラットに見えているのかもしれない。

「4月の公演に比べて声出てなかったよね? 君もっとできるよね?」とかここで書けるのも含めて。

いろいろ揉まれながら丸くなった彼だけど、たぶん根っこの部分は変わっていなくて、また3月に舞台上で大暴れしてくれるところを楽しみにしている。

 

*1:いい意味で

*2:2016年12月のチア男子