麻の着物

夏まで生きていようと思った。そう思いながらなんとか生きている人間の観劇とか読書の記録。

あんさんぶるスターズ! オンステージ Take your marks! (1/28 マチネ・ソワレ)

東京で一公演もとれなくて大阪まで行って来ました。
実は観劇初遠征でした。こうやって少しずつ新しい経験をしていくのだなと2017年初観劇にして思いました。

内容に触れる前にこれ物凄い感動したことなんですけど、

梅田芸術劇場 シアタードラマシティ音がいい

というよりもAiiAの音がいかに悪いのか…ってことですよね。手すりも鉄パイプじゃないし椅子も柔らかいしちゃんとした劇場だ…って思ったんですよね。

体力的・金銭的にきついところもあるんですけど偶には地方公演もいいかもなあって思いました。

めでたしめでたし、その後のお話

あんスタ舞台化は第二弾ということで、原作のメインストーリーの中盤(ノベライズの3巻)部分のお話でした。
第一弾の感想少しですがここに。
ranfuyutsuki.hatenablog.com

前作が主人公であるTrickstarの華々しい大勝利で終わる物語であるのに対し、今回は生徒会長天祥院英智の計略によりユニットがばらばらになる苦難の展開。
そういう意味では前作よりも作りにくかったのではと思いました。原作ではここの部分ってそんなにボリュームがなくて、二幕のスバルサイドはほとんどオリジナルです。

あんなに前作不安がって初日見てから掌返したのに、また「面白くなかったらどうしよう…」病にかかってたのっては2時間半の尺で何をやるの?って思ってたからかもしれません。(メインストーリー終わらなかったのはTwitter見てて知りました)

だって物語としては圧倒的に前作が綺麗なんですよ。原作知ってるとわかるんですが、メインストーリーのラストよりもある意味S1戦のほうが綺麗なんです。

だからこそどう味付けされるんだろうってすごく不安もあって。あと私の中で前作は「ステージを見ている観客としての私」と「登場人物の青春を眺める神の視点/もしくは転校生ちゃんとしての私」が交互に行き来する感覚がすごく面白くて、物語の中で敗北して膝をついてもなおアンコールで微笑んで歌う蓮巳という構図の残酷さが胸を打って。そういうものが今回もあるんだろうかって。

結論から言うと今回のTYMに「ステージを見ている観客としての私」はほとんどいませんでした。ライブシーンがほとんどないから当然なんです。
でも「登場人物の青春を眺める神の視点/もしくは転校生ちゃんとしての私」もいませんでした。
見てる時の私はスバルであり、北斗であり、真であり、真緒であり、前作ではあまり感じなかった登場人物の視点で物語を体感していました。

結構大きな違いは前作は鳴上嵐と瀬名泉というストーリーテラーが存在して、彼らに導かれて私たちも観察者の視点で物語を追っていたことがあるのかなと思います。けれどTYMにストーリーテラーはいません。あえてそのポジションに近いところを挙げるなら流星隊だと思うのですが、彼らもこのD.D.Dをめぐる騒動の渦中にいます。
英智の宣言によって登場人物の誰もが(嵐と泉ですら)当事者として物語に関わる中で、私たちもその中に放り出されたのがTYMでした。

良い意味でペンライトの振りづらい舞台

良い意味でペンライトの振りづらい舞台というのが私の素直な感想でした。

マチネ見た時はダイジェストがいくらなんでも長いし、ダイジェストなってないし、せめてメドレーにしてテンポよくしてくれって結構不満だったんです。
ただマチネ最後まで見て「あ、ここしかペンライト振る場所ないわ」と気づいてしまいました。

実際ここらへんのストーリーでライブしてるのってfineだけなんですよね。今回の歌唱パートってすべてユニット練習ですよという体か、もしくは感情表現としての歌唱(Trickstarのwish upon a Stars)かで。
普通にうちわもペンライトも振ってましたけど、彼らのパフォーマンスが目の前の観客に向けられたものではないということがわかるからこそ前作ほど熱をこめて振ることはやっぱりできませんでした。
でもそれでいいんだなと思います。

だからソワレは思いっきりダイジェストできゃーって気持ちを込めてペンライト振ってきました。
ソワレ前方だったんですが、真横で踊る桃李君のターンがあまりにも美しくて「私桃李君の下僕になる…」って終わってから言ってました。

小澤スバルの演技があまりにも上手かった

演技の巧拙を言えるほど芝居について詳しくないのですが、私はすごく小澤君の演技が好きで、素直な感想としてこの演技をしてくれて本当にありがとうって思っています。

前作でも人の気持ちがわからない、人間らしくない明星スバルが人間になるシーンをあんなに鮮やかに見せてくれたのですが、今回も独りぼっちになっていくスバルの孤独がひしひし伝わってきてすごく苦しかったです。

スバルにとっても「無視されること」「いないものとして扱われること」は一番怖いことなんだと思います。普段にこにこしている彼が初めて声を荒げて「無視すんなよ!」と北斗を呼び止めるシーンが私は好きです。
あの後のスバルと北斗のやりとりは、こうしてみると北斗が無茶苦茶言ってて酷いよって思います。でも北斗はスバルのことをずっと強い人間だと思っているんだなと。スバルもまた北斗を決して生徒会に屈服することのない強い人間だと信じていたはずですが、実際のところは2人とも等身大のちっぽけな高校生なんだよなと。
ちなみにここのやりとり下手は表情見えないところが多くてライビュありがとうって思いました。

ゲームだと真緒最推しなんですけど、舞台に限っては完全にスバル最推しみたいになってる。(元々結構好きなんですけど)
千秋とのやりとりもよかった。あとは原作のゲームでもおそらくまだない深海奏汰との会話があったことにおおっと思いました。

終わった後に小澤君のブログ見て、千秋楽のラストのSingin'☆shine!のことを思い出したのですが、あれは涙が零れてしまうよって私は思います。(一生懸命泣かないようにって歌ってくれたのが本当にスバルだったんですが…!)
キャストの皆さんがどういう想いで歌っていたのかわからないんですけど、このアンコール曲も前作とはやっぱり違うなって感じました。それは物語のライブシーンから地続きだった前作と、一端コメントが挟まってからのボーナストラックのようなものとしての今作の違いでもあるし、聞いてる私たちの心情もあります。
この曲もやっぱり私は楽しくサイリウムを振るよりも、しんみりと物語を反芻してしまいました。
いや、まあ振ってたんですけど。

桃李の下僕になりたい

別に真横で踊ってるところがあんまり綺麗だったとか若干やる気なさそうにハイタッチしてくれたとか…そんな理由では…。

桃李は生徒会室のシーンがすごくよかったんですよ。桃李の表情がころころ変わっているのがわかって面白かったです。(若干くどいかなと思わなくもなかったですが)
桃李の表情が一番激しく動いたのが北斗がfineを「歯車のように」って貶めたところなのもすごく好きだった。北斗にはそう見えても桃李にとってfine英智は憧れて何より光り輝くものなのです。Trickstarを解散しろと言われて怒る北斗たちとその気持ちはたぶんあまり違わないのだろうと思います。

その他思ったこと

英智がメインストーリー読んだときの感じより、過去イベ読んでひえ…ってなった感じの悪食の皇帝でした。すげーこわい…。
・ユニットソングの第二弾はキャラクターの内面によった歌が多くて、そんな第二弾の楽曲が多い今回の歌唱パートはやっぱりライブシーンではない感じでした。
・じゃあなんなんだと言えば、トリスタのメンバー4人がそれぞれのユニットの関係性や心情に触れていくのが歌唱パートの役割なのでは。
・日々樹さんの手品がすごい
・深海先輩が当然ながら流星隊の曲のbpmで歌って踊っていることに衝撃を受けた
・零さんが倒れたところで真っ先に駆け寄る羽風にう、うわ…って声にならない呻き…。
・守沢千秋に対して無理矢理笑うスバルの表情をライビュで見た瞬間にだーって涙が出てきた。席が下手だったので3列目だったけど見えなかった。
・桃李も表情豊かだったけど蓮巳もちょこちょこ苦しそうな表情をしては眼鏡を押し上げるのがなんか見ていて辛かった。
・一幕ラストから二幕で双子に発見されるスバルのシーンなんかあんまりつながらない感じがするのがちょっと気になった。エピソード一つ足りなくない?みたいな。
・前作で見られなかったアドニスと颯馬のやりとりが見れたのが嬉しかった

wish upon a Starsというミュージカルナンバーの話

今回のトリスタオリジナル曲ですが、これ完全にミュージカルナンバーだ…って思いました。
これライブで歌う曲ではなくて、トリスタ4人の心情を歌い上げた楽曲がこんな風に出てきたので驚きました。(よく考えればGlowing smileもミュージカル曲ですけど前作ではあまり感じなかった)
この曲4人の視線が合わないというのが本当にいいなあと思って、振付も含めてすごく好きです。
一幕の北斗とスバルの別れのシーンでかかってる曲いいなあって思ったらラストでこれを聞いて音源出してくれーってなりました。

「ここにいるよ」という歌詞がスバルの心からの叫びに聞こえるのと、出だしの歌詞に4人の想いが詰まっていて切ない。


おそらく次作はあると思うのですが、きっと次は笑顔で終われる物語になるのではないかなと思っています。
乗り越えた先にある頂上の景色が見られるよう祈ってます。
あともうちょっとチケットが取れるといいです…。