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麻の着物

夏まで生きていようと思った。そう思いながらなんとか生きている人間の観劇とか読書の記録。

Live Performance Stage チア男子 12/18 (マチネ・ソワレ)感想

18日のマチソワ見てきました。
一緒にテニミュ3rdを駆け抜けてる友達が礼生君が好きで、テニミュ卒業後の一作目を見たいねってことで昼のチケット取ってて、見終わったあとそのまま千秋楽の当日券に並んでいました。

チケット取ったときは原作未読だったんですが、私は朝井リョウへの謎の信頼感があって絶対面白いって言ってて、実際予習で読んで見事に泣きながら最後まで読みました。アニメはまだ見てないので見たい。

 

結論から言うとほんと最終日じゃなかったら知り合いに片っ端から「頼むー!見てくれー!」って言っただろうなってくらい面白かった。
正直なところここがよかったって言葉が出てこないくらいすべてがよかった。

Live Performance Stageって結局何をするのかほぼほぼ事前情報も入れずに見たんですけどチアをやることは知ってて、キャスト見ても本気のチアが見れるのかなと思ってました。
チアのパートが本当にすごかったのは予想通り(予想以上)だったんですけど、それだけじゃなくて一つ一つの演技、歌、演出すべてが面白かったです。特に歌はこんなにあると思ってなかったんですけど、原作読んでたときにひりひりと伝わってきた感情が込められていて、思い出すだけでちょっと泣きそうになります。

ちょっと時系列順に思い出せるところぽつぽつ。

 

・前説

昼がハルと弦、夜がカズと総一郎でした。
昼は朝井先生の作品ネタで夜はカズと総一郎が勝手にボケてる感じでどちらも楽しかったです。前説丁寧でよかったなと思うのは、この舞台声を出して応援に答えることが物語の一部であると思うからで…(後述)

・一幕

書いてて一幕どこまでだっけ…ってすでに記憶が怪しいんですけど、7人揃ってバク転できるところまででいいんだっけ…。

冒頭のおばあちゃんの病室にいるカズのシーンですでに思い出し泣きし始めてしまった。夜はさすがにちょっと落ち着いてたんだけど、古田一紀はあまりにも私が思い描いた橋本一馬だったの…。
なんかハルとカズはほんとキャスティングした人に感謝しかない。

最初に演出面白いなって感じたのは溝口と追いかけっこするところで、あの感じがすごいよかった。じゃれあってるとほんと男子大学生って感じですごく眩しかったです。
個人的に溝口役の平田君、全然噛んだり言葉詰まったりせずにつらつら名言出てくるところにプロなんで当たり前なんですけどすごいなあって思ったしほんと溝口…ってなりました。

私溝口はなぜか一番胸がつまったのエジソンの名言と「俺はもうちょっと実験を繰り返さなきゃいけないな」という言葉が舞台のスクリーンに出た瞬間で、これ原作だとなんとも思わなかったところなんですけど、あの流れの中で見た時にすごく溝口の声が聞こえたんですよね。
そのあとバク転を決めて拳を握る溝口がほんと愛しい…。

弦が総一郎への想いを歌うところもすごく好きです。「友達なのに」と言う弦の本音、「あいつ本当は俺のこと嫌いなんやないか」と溢す総一郎。この2人の友達なのに、友達だからこそ相手と自分をくらべてみじめな思いをしたり不安になったりするところがほんと胸が痛い。

全体的に歌に気持ちが入っていて、ぶわって涙が出てくるんですよ…。トンや溝口って普段はそんなに感情を表に出してくるわけじゃないんだけど、歌として心情を歌い上げるところはすごく熱くて。
原作ではこの先の話でノートがキーアイテムになるんですけど、あの本音を書き綴ったノートが今作では歌なんだなって思いました。

あと翔のイケメン(ただし私服がダサい)が想像の三倍のイケメンとダサいがきたので超笑いました。

・二幕

二幕の話をするとほんと「雨、雨、」の歌にだいたい集約されるんですけど、あれほんとすごい好き…。

昼は気づかなかったんだけど、二幕でおばあちゃんのお見舞いに行ったときの「りんご食う?」って言ってるカズはちょっと涙声なんだよね。
ハルにとってカズは眩しい存在なんだけど、その実カズのほうがハルの純粋さ、まっすぐさに時に救われ、時に苦しいほどに眩しく思っているんだろうなっていうのがあのカズに踏み込んだハルのシーンで思いました。
ハルが姉ちゃんの代わりに強くなるんじゃなくて、姉ちゃんを応援したいって言うところのハルが本当に晴れ上がった青空のようで私はすごく好きなんだ。

そして学園祭のチア。そういうシーンだからなんですけど、今までの練習のシーンはハラハラしながら見てたわけですが、学園祭のシーンは全然ハラハラしなかったの。ほんと舞台始まる前から怪我なく完走してほしいって思っていたし、やっぱり実際やってるところ見たらハラハラしちゃうのかなって思ったんですけど、そんなの忘れてしまうくらいにスカッとしたパフォーマンスだった。
たぶん学祭で彼らを見てる人の気持ちなんだなって思った。あの瞬間は芝居であることを忘れてBRAKERSを見てた。

・アンコールパフォーマンス

何の予備知識もなく見に行ったんですけど、アンコールパフォーマンス見て、これだけ切り出してもショーとして成立するやつだ…!と震えました。
ほんと多芸というかすごいキャスト集めたんだなってのがすごくよくわかって…。
礼生君がふわっとした押しに弱そうなイケメンからアイドルになった瞬間を見てしまった…という感じでした。
SHOCKERSによるパフォーマンスは圧巻でした。昼夜ともにちょっと席が前方で、友人と「近すぎて高さがわからない」って話をしてたんですけど、よく考えなくても人二人分くらいの高さなんだからやばい。
そういえばなんで金土日限定なんだろうって思ったけど早稲田の現役学生さんだもんな…ってふっと気づいた。

 

・まとめ

まとめるとほんとすごいって何回言ったかわかんないんですけど、笑えて泣けて思いっきり声を上げるくらい興奮できるものすごい舞台でした。
千秋楽のカテコ、いつまでも拍手をしたいって思う舞台だった。(カテコはほんと古田君に最後まで笑わされましたけど、みんな生きててよかった)
やっぱりお客さんは女性がほとんどだったんですけど、性別とか年齢問わず楽しめる舞台だと思うので、ほんとこれ初日言ってたら周りに「見て―見て」てやったと思う。
正直続編すごく見たいんだけど難しいのもわかるし、あんまりこだわりない自分にしては珍しくもう一度やるならキャスト続投してほしい気持ちでいっぱいなのでほんと難しいと思うんですけど、何卒よろしくお願いします…って気持ち。

・ここから先原作のネタバレを含む感想のようなもの 

忘れられてもいい。
俺が皆のことを覚えているなら、それでいい。


これほんと舞台というか舞台見てて考えたチア男子のカズの話なのであれなんですけど、私が続編やって欲しい理由の八割くらいは古田一紀にこのモノローグを読み上げてほしいんですよ。

カズにとってのチアというのはたぶん最初に読者が思っているよりも、周りの仲間たちが思っているものよりもずっと切実なもの。思い出してもらうために始めたことをカズはハルにも言わない。言えない。実際それを告白できるのは随分後になってから。
切実だって書いたのは単におばあちゃんに思い出してもらうためのものだからってだけではなくて、カズにとって誰かと繋がるための手段だからだと思うんです。

俺は、家族のことをこんなにも覚えているのに、
それなのに、俺のことを覚えている家族はもう誰もいない。

溝口が人と人との関係で自分でどうにかできるのは50パーセントだった言うんですよ。ほんとその通りで、自分からできるのが半分、もう半分は他人次第。
家族っていうのは無条件で自分のことを覚えてくれる、認識してくれる存在だと思うんですけど、カズにはそれがもうない。だから彼のほうから手を伸ばすしかない。
物語の最後できっとカズはそれでいいって気づくんですよ。もう覚えていてくれる人はいないけれど、自分が覚えていれば絆になる。だから彼はいろんな人を覚えているためにチアをする。
だけど、そんな彼に応えてくれる仲間がちゃんといる。それがハルだし溝口だしトンだし弦だし総一郎だし翔なんですよ。
コールアンドレスポンスってたぶんその繋がりそのものなんだなあって思うと、そりゃあもう一番心を込めて声を出したくなりますよ。

ほんとこれ考えてるだけで涙が出てくるんですけど、そうやって切なるものを抱えてるカズの側にハルがいて本当に良かったって思います。
ハルはカズとは逆にいろんな思いをかけられて、それに上手く答えられないままきたんだなって思うんですけど、ちゃんと一番真っ直ぐに答えられるようになるんですよ。

ほんと原作もすごくよいのでもしここまで読んでいただいてる方で読んでない方は読んでください。

 

ありがとうございました。